普通列車「妙高」 乗車記


概要

長野駅にて

名古屋から特急「しなの」に乗り約3時間。長野駅に到着すると、そこにはすでに「妙高」が待っていました。

えんじ色とクリーム色のクラシカルなカラーリングはまるで特急列車ですが……

この列車はあくまでも各駅に止まる「普通列車」。行き先表示にもそう書いてあるから間違いありません。

その割に特急型の車両を使い、指定席もあるという変わった列車なのです。

駅の発車案内にも、列車名だけが表示されています。

ちゃんとヘッドマークもついています。妙高山をイメージしているのでしょうか。

ヘッドマークなんてのもすっかり見なくなったなあ

車内へ

車内には2人掛けシートが整然と並びます。この辺りも完全に特急仕様。暖房がよく効いています。

こんな車両が各駅停車でのんびり走るんだから面白い。

ただまあ、さすがに古くささは感じますね。

うーん、レトロ。

洗面所。

座席は青と緑のリクライニングシート。

リクライニングシートといっても簡易式で、席を立つと元の位置に戻ってしまうタイプです。

正直あまり使い心地は良くないね

長野駅を出発

そんなリクライニングシートに腰掛け、信越本線を北へと向かいます。

車内放送も、普通列車ではまず聞けないチャイム付きです。

平日昼間ということもあり指定席車にはほとんど誰も乗っていませんでした。自由席車も見たところ1両数人といったところだったと思います。

長野駅を出たところでは、既に北陸新幹線延伸の準備が進んでいました。

この3か月後には長野から金沢までの区間が開業。入れ替わるように「妙高」号は姿を消し、車両も運命を共にしました。

長野駅を離れると見渡す限りの雪景色。さすが信州、愛知県とは違いますなあ。

雪景色を見るとついテンションが上がってしまう

車窓からは北陸新幹線の高架橋が。

途中に停車する「脇野田駅」は、新幹線開業時に「上越妙高駅」に名前を変え、新幹線駅になるという大出世を果たしました。

直江津駅に到着

車窓をのんびり眺めて約1時間40分。列車は直江津駅に到着しました。

直江津、昔「電車でGO」でよく見た駅名だな……

行き先表示は既に折り返し列車の妙高号長野行きに変わっていました。

かつては首都圏や甲信越を絶えず走り回った特急型車両。時代遅れとなった後も、新潟の名峰の名を背負い、最期の時までその使命を果たしました。