寝台特急「北斗星」 乗車記


概要

往路(上野→函館)

上野駅入線

上野駅に寝台特急「北斗星」が入線してきました。

牽引機はEF510-515です。機関車も「北斗星」デザインで、とてもカッコいい。

流星マーク超カッコいい!

行き先表示には誇らしげに「札幌行き」の表示。

古き良き時代のブルートレインの面影を残しています。

往路でお世話になるのは24系客車のオハネフ25-8。B寝台客車です。

車内へ

2段式の禁煙B寝台。1つの区画に2段ベッドが2つ並んでいる昔ながらの寝台列車です。シーツ、枕、掛け布団、浴衣などが予め用意されています。

4人グループで貸し切ると、区画入り口の扉を閉めて個室のようにできる造りになっていました。

この日は向かい側の下段寝台に高齢女性が乗られてましたが上段2か所は空席。

ベッドメイクしてカーテンを閉めるとこんな感じ。狭い、だがそれがいい。

列車の中で自分だけのスペースができて、しかもそこに横になれるなんて。テンション上がりますよね。

おお~本当にベッドになってる

写真が暗くて見づらいですが、浴衣はJRのマークをモチーフにしたオリジナル柄。これもなかなかカッコいいです。

これ欲しいよなあ、と思って探してみたらJR東日本が通販してるみたいですね。

洗面所。コンセント付きで、既に誰かのスマホが置いてあります。写真では挙げておりませんが、トイレは和式です。

廊下には小さめの補助席があります。

ちょっと座りにくそうですが、明るい時間ならここに腰掛けてボーっと景色を見るなんてこともできそうです。

上野を出た後は大宮、宇都宮、郡山、福島、仙台と停車していきます。伝統の「ハイケンスのセレナーデ」の車内チャイムとともに、車掌による車内放送が流れます。

乗り降りも少なく車内は静かです。
夜遅くなると車内放送も休止となりました。走行音だけをBGMに、列車は東北本線を黙々とひた走ります。

(写真は23:28ごろ到着した仙台駅)

これが寝台列車にしか出せない味……

青函トンネル

この列車は青森を出てしばらくすると青函トンネルに入ります。(半分寝ていたので写真はありません)

青函トンネルを通るのは初めてだったのですが、走行音やトンネル内の照明が他のトンネルとは違ったので「ああ、青函トンネルなんだなあ」と思ったのを覚えています。

函館駅到着

途中の青森駅で機関車はED79-20に付け替えられていました。青森~函館は真夜中であまり人目につかないためか地味なカラーです。

ここから札幌まではディーゼル機関車のDD51-1148とDD51-1093が牽引していくはずだったのですが……。

残念ながらこの日はここで運転打ち切りとなってしまったため、お役御免となりました。

朝の北海道の車窓も眺めてみたかったな

こちらはちゃんと北斗星カラー。

復路(函館→上野)

函館駅から乗車

この日は函館始発の「北斗星」。発車時間を待って乗り込みます。

今回は喫煙席の2段式B寝台です(オハネフ25-14)。こちらは区画入り口の扉がなく、昔のままの造りです。

普通なら禁煙席を取るのですが、今回は古い造りのほうにも乗ってみたかったので。

上段寝台へは、支柱に収納されている梯子をシャキーンと引き出して上ります。

車外から

車外から見るとこんな感じ。

シャワールーム

「北斗星」にはシャワールームも備えられていました。車内販売でシャワーカードを購入して利用します。タオルセットも売っていました。

シャワー室内。機械にカードを入れると利用開始。

お湯を使えるのは6分間(シャワーを止めている間はカウントも止まります)。水圧がけっこう弱くて洗いづらいです。

特に女性にはあまり優しくないかも……

食堂車(朝食)

翌朝は食堂車で朝食をいただきます。夕食は予約制ですが、朝食は先着順なので朝早くから並ぶ必要がありました。車両はスシ24-505。

(写真は食後に撮影)

朝食メニューは和食と洋食の2種類ありました。各1650円。

和朝食。量としては多くないですが、おかずの種類は多く美味。

一度はしてみたかった食堂車での食事、なんとかできてよかったな

ロビーカー

ソファーやテーブル、自動販売機などが備えられたロビーカーです。

実は復路の朝は、喫煙席のタバコ臭さに耐えかねて朝ご飯以降はずっとここに避難していました。喫煙席なので文句は言えないんですけどね。

仕事や学校に出かける首都圏の皆さんをソファーから眺めつつ、謎の優越感に浸りながら上野到着まで過ごしました。

やはり寝台列車の旅の味わいは他に代えがたいものがありますね。眠っている間に移動できる効率性、夜の闇を淡々と走りつづける心地よさと少しの侘しさ。
今思い返しても、「旅情」の一言では片づけられない、あの何とも言葉にできない感覚が胸中に去来します。

経営上の問題はあるのでしょうが、輸送効率や価格の問題など、工夫のしようはあったのではないかと思われる点もあるだけに、多くのブルートレインが良くも悪くも変わらぬまま消えていったことは寂しい限りです。