夜行急行「はまなす」 乗車記
札幌と青森を結ぶ夜行列車「はまなす」。定期運転の夜行急行列車としては当時すでに唯一の存在となっていました。こちらも以前から乗ってみたい列車でしたので、わざわざ札幌まで乗りに行きました。
札幌駅は22時ちょうどの発車です。構内で1時間以上待っていたので体が冷えてしまいました。
機関車にひかれ、青い客車がやってきます。
機関車は北斗星カラーですね。
こちらはカーペットカーです。
扱い上は普通車指定席なんですが、カーペット敷きでごろ寝できる区画がいくつも設けてあり、B寝台よりも安く横になれることが売りでした。
これは今も走る「サンライズ」のノビノビ座席に受け継がれていますね。
足が臭い人が隣に来たら最悪だね!
客車の外装は傷みが目立ちます。
ヘッドマーク。列車名そのままの、ハマナスの花が描かれています。
列車に乗り込みます。今回利用するのは6号車「ドリームカー」です。
通常よりちょっと広めの座席がおかれた、普通車指定席となります。
夜行列車らしい落ち着いた雰囲気
指定席の札がかかってます。この列車には座席のグレードが落ちる自由席車もありました。
読書灯ついてます。
このように深めにリクライニングできます。これでひと眠りといこう……そう思ったのですが。
想像以上に寝られないです。後ろの席ではアジア系の外人女性がずっとおしゃべりしてるし……。
彼女らが静かになった後も、同じ姿勢でいると体がつらくなってきます。横向きになりたいのですが座席の上ではそれも厳しい。
車両が古く座席がへたっていたのもあるかもしれません。
座ってみて、ますます歴史を感じる……
ほとんど一睡もできないまま、深夜2時50分ごろ函館駅に到着です。
車内は照明が暗くされ、ほとんどの乗客は寝静まっています。
一方ですっかり目がさえた私は駅構内を歩いてみることにしました。真夜中のターミナル駅を歩くというのも、そうそうあることではありません。
こんな時間でもちゃんと発車案内が出ていました。
深夜の停車ですが、それでも何人かの乗降がありました。深夜に停車する駅でもちゃんと需要はあるわけです。
改札口も開いており、駅員さんも待機していました。
遅くまでお疲れ様です
函館駅を出て、青函トンネルを通りつつ2時間ほど走ると終着の青森駅に到着です。
途中ちょっとうとうとはしましたが、やはりしっかりは眠れず。
まあ、座席ではあまり眠れないということが分かって、いい経験になったということにしておきましょう。
カバンやキャリーケースを持った乗客たちが次々と降りていきます。
夜行列車というと流行らないイメージですが、この列車は競合が少ないこともありそれなりに混雑していました。それ故に古い車両を使いながら北海道新幹線開業まで運行できたのかもしれません。
やはり目的地に朝早く着けるのは良いですからね。寝られさえすれば。
こっちにしとけば良かったなー。
駅前のコンビニで朝ご飯を買って青森駅に戻ると、空が白んできていました。
私の倦怠感をよそに、今日もまた新しい一日が始まります。
…………
さむい……早く来てくれ……